機械めいた夕べには。

12/16
前へ
/16ページ
次へ
「うわ、減らしてしまった。」 わざとらしい口調でいう。 本当に失敗しただけなんだが。 「ちょ、危なっ!!先輩!しっかりしてください。私、10分で死ぬとこでしたよ!?」 「ごめん。つい殺意に駆られちゃって。」 「て、おい!!」 バックナックル。裏拳。 言い様は多分にあるかも知れないが、きっと僕は今そういう類のツッコミと呼ばれるものを引き起こしたに違いない。 ぺしん。音の割に威力は僕を黙らせる程度には充分で、口を噤んだ。 そういう時に、下唇を噛むのは僕の癖である。 それに、うっかりくらいなら仕方がないじゃないか。 香月の方こそ、うっかりで構成された生命体みたいなものだというのに。 しかし、リミットの延長の限界は最大が2日。 少なくとも一日置きにリミットを延長しなければならない。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加