機械めいた夕べには。

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妙に一体感を持ってしまった僕らが次になにをすべきか。 僕はなんとなしに思案していた。 疑問もいくつかはあった。 その中で、僕の導いた答えは当然に思えた。 首輪も腕輪も関係なしに、そうなる気はしていたのだ。 香月は自惚れと茶化して笑うかもしれないけれど。 彼女の首輪に手を重ねる。 驚いた様子の彼女は、一度僕の顔を見上げた。そのあと、僕の置いた手に、自分の手を重ねてきた。 「僕が死ぬまで、その爆弾は作動しないみたいだな。」 「そうですね。先に私が勝手に死んでしまうかもしれませんが。」 冗談じゃない。僕はそう思った。 彼女は笑って云ったが、僕はそう思った。思うのと、言葉にするのは同時だったかもしれない。
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