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「短過ぎませんか?なんのヒントもなしに、これを外すなんて。」
ふと、僕は思い出す。
ヒントならある筈だ。
だが、それにしても時間がない。
「解除、案外できるかも知れん。」
「へ!?本当ですか!?」
間の抜けた声。今日の香月は全く新鮮なことこの上ない。
ヒントになりそうな物として、僕は胸のポケットに仕舞ってあった一枚のメモを取り出す。
実際には、解除のヒントではない。
でも、メモが『Mr.レフトハンド』とともに在ったことは確かだ。
解除というワードを僕が選択したのは香月だけでなく、自身に言い聞かせ落ち着くために他ない。
「これは?」
「メモだ。それとヒントだ。」
「わかります。しかし、これのどこがヒントなんですか?」
「えー、オホン。『首輪は時限爆弾。リミットがゼロになると爆発。死ぬ。粉微塵になって死ぬ。リミットは延長可能。使用方法ーーー』ということらしい。」
一つ咳払いをしてから、朗々と読み上げる。
なにやら事は穏やかではないらしい。
まさか、唯一の後輩が粉微塵になり死ぬなんて。残念極まりない。
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