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「お、おい!こ、こいつ、悪魔じゃねーのか!」
中の一人がそう言った途端、
「そ、そうだよ!絶対そうだ!」
「だって、あんな魔法みたことがないもんな!」
徐々に周りが騒がしくなってきた。
「皆のもの!静かにせい!」
村長が2人に歩み寄ってきた。何か報酬がもらえるのかと思ったが、村長の口から出てきたのは信じられない言葉だった。
「おぬしらは、村を救ってくれた。だが、しかし、悪魔となれば話は別だ。」
「べ…べつに悪魔なんかじゃ…」
「おぬしらには村を出て行ってもらう。」
「「え?」」
2人は耳を疑った。15歳まで育ってきた村を出て行けと?
「で、でも…」
「大体、ずっと不思議だったのだ。なぜ、まだ1歳にもなっていないおぬしらが、流されてきて生きているのか。」
「…………」
「でも、それも今わかった。おぬしらは悪魔だからな。生きてこれたんだろ。」
2人はもう何も言い返せなかった。すると、
「せめて、これは持って行けよ!」
そう言ったのはメーラだった。みんながこうなっている中、心配してくれていたのだ。投げてくれたのは、茶色いフードだった。
「尻尾は隠さないとな。」
本当にメーラは優しい。
「それではいいか?」
村長が聞いた。
「ちょっと待ってください!」
「まだ、支度もできていないじゃないですか!」
2人は突然の出来事にあたふたしている。
「うむ。それなら今日1日待ってやろう。今夜12時までにはこの村を出るんだぞ。」
そう告げられた。
その日の夜、2人は村を出て行った。
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