濁った空模様

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海斗が自転車を漕いでいるとポツッポツッと額に水があたった。 「わっ、雨降ってきたし」 海斗は急いで自転車を漕ぎはじめる。 「うわぁ、濡れるぅ」 片手で自転車のハンドルをきりながら坂道を下ってゆく。 その時だった。 坂道を下りきった所の十字路の交差点で死角から急に傘を持った女子高生が現れた。 「うわっ!!」 「っ!?きゃっ」 鈍い音とともに海斗は道路に吹っ飛ばされた。 幸いにも女子高生を海斗はよけて近くの電柱にぶつかり、ハンドルをきったため自転車から海斗は投げ飛ばされた。 「…っつ。…ってー」 肩にかなりの痛みを感じた海斗は道路に横たわったまま肩を手で押さえた。
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