濁った空模様

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海斗もまた、警戒心が少し薄れた梨絵に気づき表情が和らぐ。 「もう11月だけどさ、北村さんは受験とか終わったの?」 話題がなくなり沈黙を恐れた海斗はとりあえず話を繋げようと三年特有の進路の話題を梨絵になげかけた。 梨絵は外の大雨に目をやりながら 「一応 受験はもう終わってて…保育関係の大学に進学する予定。 海斗くんは?」 「お恥ずかしながら、俺は慶應狙ってるんだ」 それをきいた梨絵は一気に海斗のほうをみた。 「えっ、慶應!? あの慶應いくの!?」 「いやいや、いけるかわかんないけど…一応ね。 勉強はあんまり苦にはならないんよ。まあこれいうと変人呼ばわりされるけど」 「凄いじゃん!全然そんな風にはみえないよ~」 ニコニコしながらいう梨絵の表情をみる限り、悪意はないと感じた海斗は自分のコーヒーをすする。 「私なんて勉強全然だもん。いいなー頭いいって」 梨絵は足をパタパタさせながらコーヒーを一口飲んだ。 「慶應にいって何するの?」 「んー、まだ具体的には決めてないけど 教育関係に進みたいとは思ってるんだ」 「へー、私と一緒じゃん」 そういうと二人は自然に笑った。
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