濁った空模様

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「私はね、本当に子供が大好きでね… 私自身の力で子供たちを笑顔にしたいの。小さい時に出会った幼稚園の先生がそうだったから」 梨絵は満足そうな笑みで海斗の手先を見て言った。 海斗は梨絵の視線が自分の指にあることに気づくと梨絵のほうに目をやる。 「ん、どうかした?」 「海斗君って指きれいだね、スポーツとかはしてないの?」 梨絵に急に下の名前で呼ばれて少しドキッとした海斗は照れ臭そうに自分の手先に目をやる。 梨絵のいうとおり海斗の指はバランスのよい太さと長さでスッとした綺麗な指だった。 「俺は小さい時からドラムしとるんよ」 「ドラム!?凄いじゃん!バンドとか組んでるの?」 「ああ、今は三つのバンドでドラムやらせてもらってる。 まあ実際には勉強で忙しくてなかなかドラム叩けないんだけどさ」 そういうと灯油の補給が気になった海斗は外に目をやる。
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