嫉妬・独占欲とは…

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海『さ、さむ……』 帰り道。 隣で寒さで ブルブル震えるバカ海。 岳『そりゃ、あんだけバカみたいに雪の中にいたらな。』 海『うぅ…だって…』 岳『ほら。』 スポーツ バックの中から 部活で着ていた ウインドブレーカーを渡した。 海『わーい、岳の香りがする』 そんな 変態発言をしながら 海はウインドブレーカーを着た。 ぶかぶか。 どんだけチビなんだよ。 海『えへへ。なんだか岳に抱きしめられてるみたいで、すごく、すごーく、幸せ。』 岳『あっそ。』 あまりにも 幸せそうに笑う海。 そんな 海につられて バカみたいに顔が綻んでしまう。 海『あ、あのね、が、岳。』 岳『何?』 海『え、えっとね。今週の土曜日なんだけど、よかったら、その…えっと、えっと』 海は背中の 後ろに雑誌を隠して モジモジと 身体を左右に揺らしていた。 岳『いいよ。』 海『え?』 岳『出掛けるんだろ?仕方ねぇから、付き合ってやるよ。』 海『ホント?』 岳『あぁ。』 そう答えれば ぱぁっと花が 咲いたように笑顔になり 俺の周りを ぐるぐると回り始めた。 海『ホントにホント?』 岳『あぁ』 海『やったー!岳との久々のデートだ!』 岳『クスッ。』 こんなにも。 俺の一言で 笑顔になる海が 浮気なんて ありえないに決まってる。 この時の俺は ドコからきたのか そんな自信でいっぱいだった。 .
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