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海
岳
恥ずかしくなって
俺は大声を出して言葉を遮った。
海
岳
海
きっと
今、海は
さっきよりも泣いてる。
泣かせてるのは
あの
男ではなく俺自身。
もっと泣け。
あの
女好きの事なんて
忘れるくらい俺の事で泣け。
他の男の事を
考えて泣くなんて許さない。
海自身も
海の
涙でさえも俺のモノ。
海
岳
海
海は
弱々しい声で言った。
俺だって
海を抱きしめてやりたい。
だけど
どんなに足掻いても
今の俺には不可能な事だった。
海
岳
何も言えずに
俺は
黙って拳を握りしめた。
何で
俺は県外の大学に
進学してしまったんだろう。
何で
こんなにも海の事を
好きになってしまったんだろう。
何で
他の男が
そんなに簡単に海に触れるんだよ。
沢山の“何で”が
次々と脳裏に浮かんできた。
海
岳
海
岳
涙で震える
海の声が耳に響く。
海
岳
俺は
目を閉じて
そっと海の
笑った顔を想像した。
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