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君嶋家。
海『25日っと。』
家に帰り
あたしは家中の
カレンダーに印をつけた。
嬉しくて楽しすぎて
この日を忘れる事はないけど
それでも
カレンダーを
見る度に岳に会えるって実感がわく。
海『えへへ…』
部屋に戻り
あたしは
卒業式の日に撮った
岳を隠し撮りした
写真立てをギュッと抱きしめた。
無愛想な岳。
写真を
撮られるのが
大の苦手のようで
カメラを
向ければいつも逃げていた。
だから
部活に
没頭する岳の写真。
無防備に
眠ってる寝顔の写真。
隠し撮り写真が
ほとんどしめていた。
あとは
何枚か嫌々そうな
顔して2人で映ってる写真もあった。
だけど
この写真は
全部あたしの大切な宝物。
ちゃんと
あたしの隣にいて
同じ時間を過ごしてきたって証。
海『岳…』
やっぱり
遠距離恋愛って
思ってたほど簡単な事じゃない。
人は
ワガママで
寂しがり屋だから
すぐに
会いたくなるし
触れたくなってしまうんだ。
それは
相手への好きが
大きければ大きいほどに比例する。
ガラッ。
部屋の窓を
開けて空を見上げた。
空は暗くては
まん丸の大きな満月と
キラキラと輝く沢山の星が見えた。
そして
ふと
あることに気づいた。
海『織り姫様よりは幸せ者なのかな…』
そう呟き
あたしは徐に
大学の課題をやり始めた。
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