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ー岳目線
岳『遅い…』
7月25日。
今日は
海が来る日。
駅の前で
海の姿を探すが見当たらない。
ブーブーブ。
岳
海
岳
海
ビルって…
この辺り
ビルしかねぇじゃん。
何、その
ありきたりな答えは。
あ…いた。
俺の目の前で
大きなカバンを持つ迷子を見つけた。
岳『おい、バカ海。』
電話を切り
そう叫べば勢いよく振り返った。
そして
俺に
飛びついてきた。
海『…がくぅ…』
岳『たくっ、ホント、バカ。』
ギュッと。
迷子の子猫を
俺は強く抱きしめた。
外は
今日も暑い。
だけど
今はそんな事
どうでもよかった。
海を…
1秒でも
長く自分の腕に
閉じ込めて感じていたかった。
海『岳…』
岳『ん?』
海『チューして。』
岳『調子にのんな、バーカ。』
海から離れ
持って来ていた
大きなカバンを持った。
岳『お前、1日泊まるだけなのに荷物多すぎ。』
海『女の子は色々あるんです』
岳『あっそ。』
右手には
海のバカでかい荷物。
そして
左手には
コアラのように
俺にくっついてるヘラヘラした顔の海。
今までの俺なら
“やめろ”と言い無理やり離していた。
だけど
仕方ないから
今日だけは特別に許す。
岳『先ずはホテルに荷物置きに行くぞ。』
海『うん!』
ひとまず
海が今日泊まる
ホテルに荷物を置きに行った。
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