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“しっかりしてる”
“完璧”
“泣かない女”
人は
あたしを
見れば口を揃えてそう言う。
だけど
それは
見た目だけで
そう思うのも最初だけ。
ホントの
あたしはそんな完璧な人間じゃない。
寝坊だってするし
なにもない場所で転けて
怪我する事なんてもはや日常茶飯事。
だから
“見た目との
ギャップがありすぎる”
男子も女子も
みんな口を揃えて言うんだ。
み『わっ!!』
言ってるそばから
あたしは
少しの段差に
気づかず転けそうになった。
卓『気をつけましょうね』
み『あはは…』
転ける
寸前のとこで
卓弥くんはあたしを支えてくれた。
がっちりとした身体。
ほどよく
ついてる筋肉。
微かに
香る香水の香り。
そして
あきれながらも
あたしを助けてくれる卓弥くん。
み『ありがとう』
卓『次は助けないからね。』
み『えー』
恋は
当分いいや。
あたしは
そう思っていた。
だって
恋するよりも
こうやって
友達といる方が
ラクだし何より楽しいから。
み『卓弥くん、学校まで競争ね!負けた人がジュースね』
卓『あ、みく、ズルいぞ!!』
恋をすると
傷つく事ばかりだから――――。
だから今は
こうして
友達として一緒にいたい。
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