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卓『覗き?』
み『た、たく、んぐっ!?』
卓『しーっ。大声出すと、2人に気づかれるよ。』
あたしの
口を大きな
手で押さえる卓弥くん。
優しい手…
そんな
優しい手に
あたしの涙腺は刺激される。
卓『おいで。』
み『……』
卓弥くんは
あたしを引っ張り
静かにその場を離れた。
そして
連れてこられた
場所はなぜか屋上だった。
青い
空が広がり
春の風が
身体に優しくあたる。
卓『泣いたら?』
み『え?』
卓『みく、今にも泣きそうな顔してる。泣きたいんでしょ、なんで我慢するの?泣きたいなら泣けばいいじゃん。』
そう言い
あたしが手に
持っていた珈琲を受け取る。
温い、そう
文句を言いつつも
カチッと音を立て珈琲を飲む。
み『あたし…泣かない。』
卓『ふぅん。』
自分で
言っておいて
何、その興味なさそうな返しは。
卓『ま、俺は、嫌いじゃないよ。そーゆう強い女。』
み『上から目線…ムカつく。』
だけど
卓弥くんが
いてくれて助かったかも。
1人だったら確実に
我慢出来なかったと思うから。
卓『やっぱ、温い…』
み『文句言うなら飲まなくていい。』
卓『クスッ。やっと、いつものみくに戻ったね。』
ポンポンと
優しい笑みで
あたしの頭を撫でる卓弥くん。
そんな彼に
胸が
ときめいたのは
きっと
あたしの
気のせいだろう。
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