出会い

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それは 小さな野うさぎだった。 「はぁ…」 驚きと安堵でため息が出た。 人間じゃないことにひとまず安心した。 そして、その野うさぎは あちこち匂いをかぎまわり また茂みの奥へと消えて行った。 力無く、その場に座り込んだ。 まだ心臓がドキドキする。 いつ殺されてもおかしくない状況。 最近、餓えたヒトが ヒトを喰らう場面に遭遇してしまった。 恐くて恐くて、 必死にその場から逃げた。 ーーーもう、誰も仲間はいないんだ そのときから、私は 単独行動を始めた。 一人でいれば、 裏切られることはない。 共食いされることもない。 そう、だから… 「…ぃ、おい」 「えっ」
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