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「駆け上がってゆくレイティは、その先で目を疑いました。家の前には、大男に食べられてしまったはずだった面長のパンが、そういえば無くしてしまっていた袋に入って置いてあったのですから」
『鳥さん、本当に届けてくれたんだ! ――ああ、名前を聞いておけば良かったかなぁ』
「レイティは、あの青い鳥と同じ色をした大空を見上げ、そっと手を振りました」
ひとしきり空を仰いだレイティが、パンの入った袋を抱え直して家の扉を開ける。
「そして、レイティは元気よく言います、『お母さん、ただいま――』と。こうして、レイティの小さな勇気の冒険は幕を閉じました。今日の空は、いつもよりもずっと、青々と、綺麗に広がっているのでした」
めでたし、めでたし――――。
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