「あのさ」

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「お疲れさまでしたー」 仕事が終わったのは20時近く。 本当に疲れたなぁ… と会社を出ると 「…先輩?」 振り向いたら 「…。」 会社の前に先輩がいた。 長いこと此処にいたのか、耳も頬も赤い。 「仕事、遅かったな。」 「…先輩がお腹痛いって休んだからですよ。」 「そっか。」 先輩は笑う。 痛々しく。 「「…」」 言葉が続かない。 昨日の今日だもの。 沈黙がつらい。 「じゃあ…」 去ろうとしたら 「あのさ。」 先輩に腕をぐぐっと捕まれた 「話があるんだけど。」
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