プロローグ

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翌日、本能寺焼け跡… 「織田信長様の遺体がみつかりません。また近習の森蘭丸も骨はおろかそれらしき肉片さえも見当たりません。」 兵士が、頭が禿げた武将に報告した。 「様はやめろ!」 と、禿げた武将が兵士を一喝した。 「あんな悪魔を生かしておいてはいけないのだ。捜せ、何としても探し出せ!」 この男こそ織田信長にキンカン頭と言われた明智光秀である。 「昨日の光さえなければ信長の首を手にしていたものを…もし、奴が生きていれば我らは一族諸とも根絶やしぞ」 信長の怒りの顔を想像した瞬間、みるみる顔が青くなる兵士達と光秀。 昨夜、本能寺を完全に包囲して信長を追い詰めたはずだった。 しかしあと一歩の所で本能寺の中心から目が眩むほどの光が放たれた。 そのあと燃え尽きる前に本能寺のすべての部屋を確認させたが、遺体さえ見つからなかった。 「ご報告申し上げます!」 先ほどとは別の兵士が連絡に来た。 「昨日の戦にて、捕虜にした者からの情報によると昨日不審な人物が信長のもとを訪れて逗留していたとの由にございます。」 「不審な人物?」 聞き返す光秀。 「見たこともない格好をした若者だそうで、南蛮風でもないようです。」 「ふむ、その者が何かしら情報を握っている可能性があるな。よくよく周囲を探せ!」 「また焼け跡からそのものが持っていたと思われる物が見つかりました。」 兵士が差し出したのはこの時代にあるはずがないショルダーバッグだった…
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