第一章

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教室は静寂に包まれている。 教壇に立つランスは、教室を見渡しながら、 「君たちがここ、アストラル王国士官学校に入学してから早くも4年が経ち、あとひと月で卒業となりました。 そこで、あらためて軍について復習してみましょう。…では、カートン君。」 名前を呼ばれた生徒は、席から立ち上がって答える。 「はい。アストラル王国軍は主に、陸軍、海軍、空軍から成り、外局として、医療研究局、技術開発局があります。」 答えた生徒は席に座る。 「ありがとう。では、軍と士官学校について、…オルセン君。」 「はい。アストラル王国士官学校は、 普通科、医療科、技術科、特殊科の4科から成り、普通科は陸海空軍に、医療科は医療研究局に、技術科は技術開発局に配属されます。特殊科は、命を司る白羊宮のエクリプショナーが医療研究局へ。知性を司る双子宮のエクリプショナーが技術開発局へ。それ以外のエクリプショナーは、陸海空軍それぞれの特殊部隊に配属されます。」 ランスは満足そうに頷きながら、 「はい、ありがとう。…オルセン君が言ってくれたように、エクリプショナーである特殊科の君たちは、卒業したら、ほとんどが陸海空軍の特殊部隊に配属されます。」 ランスは少し間を置き、 「ですが、特殊部隊以外にもう一つ、エクリプショナーで構成される部隊があるのを知っていますか?」 教室から驚きの声があがる。 「その部隊は、エクリプショナーの中でも優れた者しか入ることができず、エクリプションが関係する場合にのみ動く。いわば、エクリプション専門部隊です。 その部隊の名は、『アウローラ』」
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