第三章

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ユフィアは理事長室の前にいた。 ー…ここが理事長室…私、何で呼ばれたんだろう… ユフィアは自分が呼ばれた理由を考えてみるが、全く心当たりがない。 「とりあえず、入るしかないか。」 ユフィアは息を整え、 ーコンコン 「ユフィア=クリフォードです。」 「入りなさい。」 ユフィアが理事長室に入ると、奥に一人の老人がいた。この老人こそが、アストラル王国士官学校理事長のベルゲンである。 「待っていたよ。まずは、卒業おめでとう。先程のスピーチは実に素晴らしかったよ。」 ユフィアのスピーチを褒めるこの優しそうな老人は、ただの理事長ではない。 優れたエクリプションを使いこなし、数多くの戦いの前線に立ち続け、そして、アストラル王国軍の大元帥の座にまで登りつめた男なのだ。 「君を呼んだのには訳があってね。君は、この後、陸軍特殊部隊に配属となっていたね。」 「はい。」 ベルゲン理事長はユフィアを見て、 「実は、是非君に、自分の所へ来て欲しいという人がいるのだよ。」 「私に…ですか?」 ユフィアは驚いた。卒業して実績が出てきた者が、他の部隊から勧誘されることは度々あるが、卒業したばかりの自分が勧誘されるとは、夢にも思わなかったのだ。
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