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「では、ベルゲン理事長、我々は失礼させていただきます。」
クラヴィスが、退室する意を伝える。
「あぁ、少し待ちなさい。…ユフィアよ。」
クラヴィス達と共に扉に向かおうとしていたユフィアは、ベルゲンに呼ばれ、振り返る。
ベルゲンは真剣な目をして、ユフィアに言った。
「これから先、多くの出来事が君を待ち受けているだろう。それに、君は傷つき、悲しむことがあるかもしれない。…でも、忘れてはならないよ。君のことを愛し、大切にする人々がいるということを。…心を強く持ちなさい、ユフィア=クリフォード。」
ベルゲンの言葉に、ユフィアは戸惑いを隠せない。そんなユフィアに、ベルゲンは笑って、
「なに、ただの老いぼれの言葉だ、気にするでない。…と、忘れていたよ、これがユフィアの軍服だ。」
ベルゲンはユフィアに軍服が入った袋を差し出した。ユフィアは袋を受け取る。
「これからも頑張りたまえ。何か困ったことがあれば、いつでも私のもとへ来なさい。」
ベルゲンは微笑みながらユフィアを見送る。
「ありがとうございます。では、失礼します。」
ユフィアはベルゲンに礼を言い、頭を下げた。そして、扉の所で待ってくれていたクラヴィスとガイと共に、理事長室を出た。
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