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友紀「大守市から来ました、夏目友紀です。」
人生で何度繰り返しただろうか、片手では数えられない位繰り返した転校。
たった数週間のクラスとクラスメイト。
だけど、今回のクラスはいつもとは少し違う何かを感じた。
西村「おい、夏目だってよ。」
夏目「あ、ああ。」
教室の右後ろの男子2人がこそこそと何か話してるのが聞こえる。
先生「そうだな…席は…夏目の斜め後ろあたりでいいか。夏目と西村は席を持ってきてやってくれ。」
夏目「え?は、はい。」
西村「了解しました!」
さっき話していた2人が席を立つ。
そうか、彼も夏目という苗字なのか。
だからさっき、話していたのか。
+*+*+*+*+*+
笹田「夏目さん、私学級委員長の笹田。よろしくね。」
HRが終わってすぐ、メガネをかけた女の子が寄ってきた。
友紀「よろしく、私の事は友紀って呼んでもらって構わないから。」
どうせすぐ、居なくなるんだし。
ちらっと斜め前の男の子の横顔を見る。
友紀「夏目だと夏目君とややこしいだろうしね。」
そういうと夏目君はこちらを向いた。
夏目「俺は夏目貴志、よろしく。」
言葉と同時に見せる笑顔。こいつ――――。
友紀「…よろしく。」
こいつ、私の同類だ。
否、こいつの方が私よりマシかも知れない。
笹田「あれ…?なんか2人って似てるわね。」
笹田さんも何かを感じ取ったのかそう言ってきた。
西村「確かに言われてみれば…顔とか雰囲気が似てるな。」
そこで私と夏目君は互いを見る。
確かに見つめれば見つめるほど似ている様な気がしなくもない。
雰囲気だってさっきの笑顔を見れば似ていることが感じ取れる。
友紀「そうかもしれないね。」
夏目「そうかもしれないな。」
あ、今ハモってしまった。
夏目君も少し恥ずかしそうにしている。
なんだろう、今この場所は今までで一番心地がいい。
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