ほんとは、本当は。

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「え…」 突然声を発したあたしに、驚いたように声をあげる遥香先輩。 早川先輩は、黙ったまま。 「早川先輩は、いつも遥香先輩の話ばかりしてました。いっつもノロケてばっかりで、すごく、すごく…」 言いながら、声が震えて。 もう一度息を大きく吸った。 「幸せそうな顔で、笑ってました」 「…木崎…俺は…」 早川先輩の声が、あたしの言葉を遮郎とするけど、構わず続ける。 「今日だって、あたしが無理やり誘ったんです。早川先輩と、仲良くなりたくて」 「違…「なんで、そんなこと…」 重なった早川先輩と遥香先輩の声に、精一杯の笑顔を向ける。 先輩、あたしは今、上手に笑えてますか?
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