ほんとは、本当は。

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「…陽菜は?」 突然現れた彼になんて言ったらいいか分からなくて、やっと絞り出したのはそんな一言。 「いま、家に送ってきたとこ」 「そう」 そのまま歩き出そうとすると、 「ちょっと」 腕を掴まれる。 「俺の家、すぐそこだから、雨が止むまで待ってれば?」 「え…」 突然の彼の一言に、硬直する。 …彼が親切に言ってくれてるのはわかってる。 でも、親友の彼氏の家に、行くわけにはいかないよ。 「遠慮しとく」 「びしょ濡れなくせに」 「うるさい!!!!」 思わず叫んでしまった。
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