ほんとは、本当は。

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「…謝って済むと思うなよ」 ぼそりと呟く陸くん。 「え、ダメなの!!!!?」 そんな彼の言葉に、本気でキョドる陽菜。 どうしよー、なんて困った顔でアタフタする陽菜の頭をコツンと小突いて、 「嘘だよ、バーカ。早く木崎と話して来な」 なんて、陸くんは優しい声で言った。 「え、でも…」 言いながら、汚れた床を見つめる陽菜。 「俺が掃除しとくから。今日だけだからな」 ほら、と言って、陸くんはあたしと陽菜をドアの外に追い出した。 「えーと、ありがとう?」 「なんで疑問形なんだよ」 そんなふたりの会話を聞きながら、このふたりはいつまでもこんな感じなんだろうな、って思った。
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