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そして、全部話した。
遥香先輩の浮気。
身代わりになったこと。
どんなに一緒にいても、遥香先輩の存在には勝てないと悟ったこと。
遥香先輩が、戻ってきたこと。
「本当に好きだから、諦めないでがんばろうって…、いつか振り向いてくれるかもって頑張ったけど…、やっぱり無理だったみたい」
そう言って顔を上げると、
「ちょっ…なんで陽菜が泣くのよ」
陽菜がボロボロ泣いていた。
「だってぇ…!」
そう叫びながら、陽菜はあたしに抱きついた。
「…実咲子、苦しかったね…、辛かったね…っ!!!!」
「…うん」
「でも…っ、実咲子の気持ちはきっと…っ!!!!きっと早川先輩の心の支えになったと思うよ…っ」
「…そうだといいな」
「きっとそうだよ、絶対…!実咲子の気持ちは…無駄じゃないから…っ」
「…ありがとう、陽菜」
あたしのために泣いてくれる友達がいる。
…あたしは、本当に幸せな人間だ。
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