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木陰に着いた2人は少し息を整えてから言葉を交わす。
「えへへ~。わたしの勝ち!」
「急に始めるなんてひどいよ~」
輝樹は自分向ってブイサインを作っている由里に少し文句を言う。
「だって輝君男の子だもん。よーいドンなんてしてたら絶対負けちゃうじゃん!」
「でも~・・・う~・・・
・・・まぁいいや。それより早く本読もうよ!」
由里の言い分に輝樹が折れ、本来の本を読むという行為を促す。
「うんうん、よろしい!じゃあ本読もうか!」
輝樹の対応に満足したのか、木の幹に背を預けて足を投げ出し座る。
「輝君早くー」
由里はその状態のまま、隣の地面をたたき早く座るように言った。
輝樹は「うん!」と返事をして由里の隣に座る。
由里が本を開く。
表紙に綴られた文字は『ロミオとジュリエット』。
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