13人が本棚に入れています
本棚に追加
神崎ハジメは、スコープを覗いた。使用しているのは、WA2000カスタム。指先を、引き金に触れるか触れないかの所にかける。ハジメの鋭い眼差しはスコープを通して常に戦場全てを見ている。ブザーの音共に訓練用の的が現れた。
ハジメは、動揺する事もなく、的確にそして素早く打ち抜いていった。
再びブザーが鳴り訓練は終了となった。
「さすが、ホワイトワァング。一発の外れもないね。」
「茶化すな。」
ハジメは、声の主に言った。
声の主、整備士兼強襲戦闘兵、斎藤ケンは笑みを浮かべると手を左右にふった。
「相変わらずだねぇー。もっと、フレンドリーにいこうや。」
「これでも、フレンドリーになったはずだぞ!」
「そりゃ、昔よりはな。昔なんて誰とも話さないから男子と女子のトイレが入れ替わった事も知らずに…」
「うるせぇーー!」
「はいはい、ところで、長官がお呼びだぞ?」
「長官が?」
「ああ、移動かな…?」
ハジメは、怪訝な顔をすると銃を斎藤に投げた。
「引き金が固い!」
最初のコメントを投稿しよう!