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ー分厚い檜の扉。もう、配属されて5年目だが今だになれない。ー
ケンが、ノックをした。檜の木の心地よい音の後のんびりとした声で「どうぞ。」と聞こえた。
「失礼します。斎藤ケン一等兵並びに神崎ハジメ曹長只今到着いたしました。」
「ごくろうさん。まぁ、座りたまえ。」
「失礼します。」
2人は、眠りに落ちてしまいそうなほどフカフカなソファーに座った。長官は、自席から動かない。真っ白な頭に手をやると長官は、思い立ったように立ち上がった。
「君たちは、ここに来て何年になる?」
「5年であります。」
「そうか。私は、まだ3年だ。君たちの方が先輩と言うわけかな。」
「…。」
この優しそうな長官が昔生還率98%を誇る部隊の隊長だったことはもはや伝説だった。チェ・ゲバラの復活とも言われていた。
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