-1日目-

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 一方。佐野大はあっさり見つかった。  香が学食のカフェで、なるべく見知らぬ人を選んで尋ね回ってみたら、本人に辿り着いてしまったのだ。  眼鏡をかけた神経質そうな線の細い青年。あまり人付き合いは好きではないらしい。自分を探し歩いている香に、のっけから不信感満々の目を向けて来た。  まあ、この状況だとそれも止むなしかも知れないとは思いつつ、一応自己紹介をする。  名前を聞いて彼は目を見開いた。とげとげしさがすんなりと消える。  ──ということは、彼にも。 「メール……来てました?」  大の周りの友人らしい人々は興味シンシンといった風に2人を見ている。 「……ちょっと話す時間、ありますか」  彼からそう申し出てくれた。悪いけど、と周りに断りを入れて、目で香を誘導する。  香は軽く頷いて大の後に続いた。
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