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それにしても、小さい家だな。少し歩いたら終わりだ。
「はい、スープ」
「うむ。あちっ!」
「あーあ。ちゃんと冷まさないと」
「ふえぇ……ふーふー」
ちゃんと冷ましてスープをいただく。
あ、美味しい。よく考えたら今日何も食べていないんだった。
あったかい。
「こんな雨だし、今日中に洗濯物乾くのは無理だな……」
私の服は洗ってくれたようだ。
「なぁ」
「ん?」
「ここ、お前以外に誰もいないのか?」
さっきから、この男以外に人間の気配を感じない。
気配を消して潜んでいるかもしれない。用心しておかないと。
この男が怯えないのも演技の可能性があるからな。
「一人暮らししてるから。それより、お前はやめてほしいかな。僕は田村 衛。衛でいいよ」
「マ、マモル」
「よしよし」
おかしい。敵である私に自分の名前をすんなり教えるだろうか。
とりあえず私の名前は人間達に知れ渡ってるから教えても構わない……かな?
「じゃあ私の事はハルと」
もし私の顔を知らなくても、赤髪でこの名前を聞いたら気づくはず。
「じゃあハル。でいいかな?」
あれれ?
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