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「はい……」
雨宿りさせてもらって、ご飯まで食べさせてもらったから逆らえない。
人間に恩を作って、逆らえず魔術禁止されるなんて。
これ、誰にも言えないな。
それにしても、正体まで明かしたのに怖がらないとは、地球の人間と魔界の人間は別なのか?
完全に別世界なんだな、ここは。
「で?どうして魔王がこんな所に?」
「そ、それは……」
「……」
「……」
「……言いたくないなら無理には聞かないよ。お風呂入る?さっきは拭いただけだから、ちゃんと暖めないと」
「へ?」
部下に助けられ、逃げて来た。となかなか言えず、黙っているとマモルはそれ以上聞く事はなかった。
「ハル、お風呂沸いたよ」
「えっと……マモル」
「ん?」
「いつも洗ってもらってたから、1人で洗えないのだ。だから洗って」
「え」
現在お風呂。マモルが洗ってくれている。目隠しをして。
シャワーの使い方を教えてもらって、流すのは私が自分でやるという約束。
目隠しをしてではシャワー使えないからな。
目隠し外せばいいのに。
「よ、よし、こんなとこかな?ハル、シャワー出して」
「うむ」
シャワーで泡を流し、浴槽に浸かる。
「ふにゃ~……気持ちいい」
私の城に比べてかなり小さいお風呂だが、気持ちいいのは同じだ。
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