魔王さま、地球に降臨!

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「できるかな」 空を飛ぶのは一番最初に教わったから自信はあるけど、ちょっと不安だな。 なにせ催眠術だけで疲れる世界なんだ。飛んだ疲労で死んでしまうかもしれない。 「えいっ!お、できた」 なんとか翼を出すのには成功したが、いつもより少し小さい。 でも飛べるから問題はないだろう。 「んー……」 キョロキョロ辺りを見渡すと、ちょうどいい感じに広い所を発見。 山の近くだからそうそう人もやって来ないだろう。 着地して本当に人がいないかもう一度確認。 「よし、誰もいないな」 まずはあの大きな岩に向かって炎の魔術でも放ってみるか。 「えい!」 出せた。……けど。 「あう~……」 な、なんだこれ……一番疲れたぞ。 攻撃系の魔術は凄く疲れるっと。 「ちょ、ちょっと休憩しよう」 次は何使おう? 何使っても疲れるしなぁ。ていうか、どうして疲れるんだ? この地球には魔力が欠片も感じられないし、そんな環境の中で魔術を使おうとしたからなのだろうか? 「魔術、別に使わなくてもいいのかなぁ」 この世界の人間達は魔術がなくても何不自由なく過ごしてるし。
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