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「確かに、ここの人達は平和に暮らしていますからね」
「だろ?……へ?」
「こんにちは魔王様。首取りに来ました」
「うわあああああ!?ゆ、勇者!?」
いつの間にか勇者が私の隣に立っていた。
こいつ、ルシフェルと同じく転移使えるのか!
とにかくびっくりした。心臓が口から出そうだったぞ。
「さて、死んでもらいましょうか」
「え?うわっ!」
勇者は腰に据えていた聖剣を抜き、私に切りかかった。
なんとかかわせたが、髪を少し切られてしまった。許せん。
「まだ幼いとはいえ、今のをかわすなんて、やりますね」
「はぁ……はぁ……け、けっこう危なかったがな……それより、不意打ちで私の首を取って、みんなに自慢できるのか?」
「私の使命は、あくまで魔王を殺す事ですからね。手段は選びませんよ」
ぬぬぅ……こいつ、なんとしても私を倒すつもりだな。こいつから凄く殺意が伝わってくる。
だが、こっちだってただでやられるわけにはいかない。せっかくルシフェルに助けてもらった命、無駄にはできない。
それに私も、ルシフェルといざという時のために小さい頃から鍛錬してきたんだ。相手が勇者だろうとなんとかなる。多分。
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