67人が本棚に入れています
本棚に追加
私は翼を広げて聖剣が当たらない高さまで飛んだ。
「うぅ……」
すると、完全に戦意喪失した勇者は聖剣を手放し、座り込んでしまった。
……笑えない。
「ご、ごめん」
まさか魔王が勇者に謝罪する日が来るなんて。
「…………です」
「へ?」
「休戦です魔王。不完全な状態の相手に勝っても気分が悪いだけだと思うので、お互い力を取り戻すまで戦いはなし」
「わ、わかった」
「では!」
私に休戦を申し込んで勇者はさっさと行ってしまった。
なんだか涙目っぽかったな勇者。
勇者の方が私より大変な目に遭ってるんだから、笑ったりして悪かったかな。
今度改めて謝ろう。
とりあえず、まずは私と勇者が魔力を回復させる。そして決着をつけて帰る。
目的は決まった。
「お腹空いた」
帰ろう。マモルも帰ってるかもしれないし。
空飛んでる時にマモルの家からここまでの道は覚えておいたから、歩いて帰るか。2度も飛んで疲れた。
最初のコメントを投稿しよう!