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「ここからはハルがやってみて」
「で、でも、マモルでもなかなか取れなかったのに、私が取れるのか?」
「大丈夫だよ、ハルならできる!」
「……よ、よし、やってみる」
決心した私にマモルは台を持って来てくれた。
これなら見やすいな。
「(あと1回傾ければ取れる位置に置いたから、絶対大丈夫)」
「えっと……機械を景品に真上に来たらボタンを離す……」
マモルがやっていたのをお手本にしてボタンを押す。
き、緊張する……こんなに緊張しているのは初めてだ。
「(……今だ!)」
景品の真上に来たタイミングでボタンを離し、機械は景品に向かって下がって、掴んだ。
落とす事なく、景品は穴へ入っていった。
「と……取れた……」
「おめでとうハル」
「取れた!マモル、取れたぞ!」
嬉しくて大きな声で喜んだ私にマモルは祝福してくれた。
景品であるぬいぐるみを取り出して、私はそれを強く抱き締める。
「おめでとうございまーす!」
「ひぃ!」
喜びに浸る私の後ろでパフパフと楽器を鳴らしながら男が近づいて来た。
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