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「なっ……!?」
入り口前のロビーには魔王城を守る魔物達の死体が転がっていた。
「ぐっ!」
ロビーに辿り着いた瞬間、魔王の右腕であるルシフェルも、あっけなく勇者にやられてしまった。
「魔……王様……」
「魔王自らやって来てくれるとは、わざわざこちらから赴く必要がなくなったわけですか」
「魔王様……お逃げください……この勇者の力、尋常ではありません……」
ボロボロになったルシフェルが残った力を振り絞り、転移のゲートを出した。
「だ、だが、皆を見捨てて逃げるわけには」
「私達は魔王様を守るのが指名……魔王様の首は誰にも渡しません」
「逃がしませんよ!魔王覚悟!」
ゲートへ逃げるのを阻止するべく、魔王へ直進する勇者。
「魔王様!」
「なっ!?お前」
襲いかかる勇者から逃がす為に、先程報告をして来た魔物が魔王をゲートへ突き飛ばした。
「ちっ……」
「ふぅ……」
ゲートが消え、勇者が舌打ちし、ルシフェルが安堵の溜め息を漏らす。
すると勇者も転移ゲートを開いた。
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