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「へ?ま、迷子?」
どうやら私は、このお巡りさんという奴に迷子だと思われていたようだ。
「こんな昼間に君のような小さい子どもが1人でいるなんて変だからね。家の住所わかる?」
「魔界だ」
「え?」
な、なぜか可哀想な奴を見る目で見られている……。
「ま、まぁ詳しい話は交番で聞くとしようか。着いて来て」
着いて行ったら面倒な事になりそうな気がする。
仕方ない、ルシフェルから教わっただけで初めて使うが。
「くらえ!」
ルシフェルから教わった催眠術。
上手くかかったら私の言う通りに動くらしい。
「ぁ……ぁ……」
どうやらかかってくれたみたいだ。運良く人には見られていないようで安心した。
魔術を使う所を見られて騒がれるのは嫌だからな。
裏道に運ぼう。
「じゃあ質問に答えてもらう。ここはどこだ?」
「ここは地球の日本です。そして日本の首都、東京です」
まったく聞いた事がないな。でも言葉が通じるから、そこは心配する必要はないか。
「よしわかった。ご苦労」
催眠を解いてやると、お巡りさんは眠ってしまった。
起きるとまた面倒な事になるだろうから、さっさと離れよう。
お巡りさんは裏道に置いてっていいか。
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