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また始まった。
空に浮かぶ綺麗な満月の輝きに反して僕の心は暗く憂鬱だった。
頭痛がする。
僕の全身を大量の蟻が覆い隠しもぞもぞと歩き回っている様な感覚。
口の中に違和感を感じ唾を吐き出すとそこには一匹の蛆虫が身体をくねらせていた。
蛆虫は次第に僕の口の中で数を増してゆく。
喉の奥から上ってくるのではない。
唾液の中から生まれてくるのだ。いくら唾を吐いても水で濯いでも止まらない。
次々と生まれてくる蛆虫に口は大きく押し拡げられぼたぼたと足元に落ちる。
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