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 あれは僕の小学校低学年の頃。    空き家の前に置かれた蝿のたかった段ボール箱を発見した僕は、何が入っているのかとガムテープを剥がし蓋を開けた。    中には黒と灰色の縞模様の猫が一匹、横たわっている。僕はその脇腹に触れた。その瞬間、手の平に妙な違和感を感じると共にそれが死骸だと気付いた。    顔を良く見ると目や口に蛆が沸いている。僕はその汚さとこの飼い主の行為に苛立ち段ボールごと蹴り上げた後、水飲み場のある公園へと走った。
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