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「人間というのは、凄い勢いで進化し、今この世界で生き延びている。しかし悲しいことに、その素晴らしいき性能を全くといって使いきれていない。 知っていますか?あなた方人間の脳は膨大な可能性に満ちている。その神の産物を人間は3パーセント程しか使いこなせていない。」 憐れむような表情を向けるホログラムは一呼吸置き、再び口を開いた。 「その潜在能力を引き出すためにご用意したのが、皆さまに埋め込ませていただきました【電子ナノチップ】でございます。個々に合った特殊電子信号を送り、可能性を引き出します。すこし使い慣れるのに時間を要すると思いますが、大丈夫でしょう。チップについての説明はこれでおしまいになります。」 映し出されていたチップが音もなく消え、それと同時にホログラムは右手をおろした。 俺たちは未だ状況を掴めず不動のままだ。短い沈黙が辺りを漂う。 「な、何だかよくわからねぇけど…すげぇーよ!」 漂う沈黙を振り払ったのはレンだった。 「で?どうやったらそのチップを使えるんだ?」 子供のような表情でホログラムに詰め寄った。
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