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「イメージするのです。」 「イメージ?」 はじめての言葉を聞いたかのように繰り返すレン。 ホログラムは微笑を浮かべた。 「そうですねー。例えば自分の周りに壁があるのをイメージしてください。」 「壁?」 「はい。イメージはより鮮明なものになればなるほどうまく自分の力になってくれます。」 レンは言われるがイメージしているのだろうか、その場で棒立ちになり時たま首をかしげて見せた。 「なんもおきねぇぞ?」 「イメージに大切なのは集中力と創造力です。心を落ち着かせてイメージしてみてください。」 「あぁわかった。」 つぎは立つのではなくあぐらをかく状態になりレンは目を閉じた。 さすがの適応力と言うべきかレンの気配が急に鋭くなった。 俺を含め、ルリ、カケル、フミカは固唾を飲んでレンをみやる。 部屋は相変わらず冷たさで満ちているが、それもものともしないようだった。
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