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俺やフミカに送れ、ルリとカケルもそれぞれ一度は障壁を創造出来たようだ。 ルリは白。カケルは緑だった。 みんな、まだまだ不安定だった。 しかし、何回か何十回かやっていくうちにある程度、安定させることに成功した。 「疲れたぜぇー」 レンが床に倒れこむと、みんなも盛大なため息をついて床に座り込んだ。 「ねぇ、あの色ってなんか関係あるのかな?」 「たしかに!!みんな色違ったよな。」 ルリもレンものっぺりとした白い天井を仰ぎながらそう言った。 俺も不思議に思っていなかった訳ではない。だが、深く考えるだけ無駄な気がしたからほおっておいた。 しかし、今思っても可笑しな話だ。 いきなり知らない場所に連れてこられ、変なチップまで埋め込まれ、よくわからない力が使える…。 正直、笑い話にもならないだろう。 考えを巡らしていると気づかず「ふっ。」と鼻で笑っていた。 「どうした?」とフミカが訝しいそうにこちらを見て首をかしげた。 それに「いや…なにもない。」とだけ答え、改めて部屋の中を見渡した。
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