1

29/82
前へ
/100ページ
次へ
「なにも変わってな――――」 俺の言葉は何かにかき消された。 キュイーン。という鉄と鉄が擦れあうような音がする。 白い壁はのっぺりとしたその表面を無数のブロックへと変え、それは音と共に凹凸を作っていく。 そしてキュウの前の壁が全て凹凸のブロック塀と化した。 擦れあう音が止まり部屋にここに来て何度目かの沈黙が拡がった。 それもつかの間、凹凸の壁は盛大な効果音を放ちながら動き始めた。 無差別に並んだブロックは時よりカチャッ!!という音をさせ機械的に一転に集束して行き、次第に壁の向こう側が露になった。 壁は最後にガチャン、プシューゥ。といい静かになった。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加