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プヒュー プヒュー。 なんだろうこの音は。 朦朧とする意識の中で この音だけが…聞こえる。 頭に響く音を振り払うように首を左右にぶんぶんと振り、重たい瞼を開く。 不意に射し込んでくる光に視界を遮られる。 目が慣れるのに時間がかかった。 視界がハッキリしてきた。 目に飛び込んできたのは、 真っ白な世界だった。 というよりも、白い部屋だ。 「なんだよ…これ。」 白いタイル張りの部屋はひんやりとした冷たさを放っている。 部屋を見渡すと目の端が人影を捉えた。 慌てて人影のほうを見やると、 そこには人が倒れていた。 一人ではない。 他に倒れているのが四人いた。 ―――!!みんな。 数を確認してからすぐに倒れているのがレン達だとわかった。 「レン!ルリ!フミカ!カケル!」 精一杯の声で叫んだ。
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