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声は部屋の中で反響した。 「みんな!…みんなー!」 どうしてだろう。 こんなにも叫んでいるのか…。 「うるさいな。聞こえてるよ。ってまぶしっ!!なんだよこれ。」 レンを筆頭に次々にみんな体を起こす。 「大丈夫か?みんな。」 「あぁ。」 「うん。すこし頭が痛いよ。」 「大丈夫だ…。」 「うぅ…しんどー。」 四人が口々に返事をかえしてきた。 沈黙のなかプヒュー、プヒューという音が相変わらず鳴っている。 途端、先ほどまでの音が急に止み 次いでピロローンという軽快な音がした。その音と共に部屋の中央に人形のホログラムが現れた。 それは徐々にハッキリとしていき見た目は人間そのものになった。しかし、その人物に生気は感じなかった。 「うわぁあ!なに!これ!」 カケルが突然の訪問者に驚き情けない声をあげた。 情けないカケルとは裏腹にレンとルリは「すゴーい!」と興奮気味に言った。
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