お昼寝の云々

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「春眠暁を覚えず」そんな言葉がある 春の日差しのなか惰眠を貪ると言うのはなかなかに気持ちのいいものであるが、やはりソファに座ったまま寝るのはどうも違うようだ 何となく寝苦しいような気がして眠りから醒めたが未だに脳や身体の大部分は眠っているようだったがうたた寝をする前には感じられなかった人肌のような温もりを腿のあたりに感じ、妹が気を効かせて毛布でも掛けてくれたのかと思い嫌に重い瞼を上げると、そこには妹の顔が目と鼻の先にあった 「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」と同じトーンである 至極下らない事が脳内を巡ったがそれでも僕は驚いているので平生にはきっと出さないであろう素っ頓狂な声を漏らしてしまう
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