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「くそったれ!」 斧を振り回しても鉈を振り回しても、キリがない終わりがない。 切るより早く枝が伸びる、根が伸びる。 「……ああ、あぁ」 くそっ、ダメだ。 僕らだけじゃ、こんな装備じゃもうどうしようも。 「あああ、やめろやめてくれ。パソコンは絶滅機具種なんだぞ」 馬鹿みたいに育つ化け物のような木々が、簡素なバリケードを押し退ける。 人類歴史資料館を容赦なくぶっ潰して、パソコンが、トースターが、目覚まし時計がぁぁぁ。 「黒縁、もう諦めなさい!さっさと避難しなきゃ、私たちまで」 目の前でアッと言う間に形成されていく森。 貴重な人工物が、自然に呑み込まれていった。
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