1人が本棚に入れています
本棚に追加
「くそったれ!」
斧を振り回しても鉈を振り回しても、キリがない終わりがない。
切るより早く枝が伸びる、根が伸びる。
「……ああ、あぁ」
くそっ、ダメだ。
僕らだけじゃ、こんな装備じゃもうどうしようも。
「あああ、やめろやめてくれ。パソコンは絶滅機具種なんだぞ」
馬鹿みたいに育つ化け物のような木々が、簡素なバリケードを押し退ける。
人類歴史資料館を容赦なくぶっ潰して、パソコンが、トースターが、目覚まし時計がぁぁぁ。
「黒縁、もう諦めなさい!さっさと避難しなきゃ、私たちまで」
目の前でアッと言う間に形成されていく森。
貴重な人工物が、自然に呑み込まれていった。
最初のコメントを投稿しよう!