青田主任×岬さん

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「…俺の幸せ?」 そう聞き返した主任の表情は、驚きと戸惑いを隠せずにいた。 これ以上主任を困らせるわけにはいかない…。 そう思うのに、もう言葉を止めることはできなかった。 「…主任には心に決めた人がいるってわかってるのに、わたし…、私っ…、自分の気持ちを止められないっ。 こんな風に2人でいられることが、不謹慎だけど嬉しくて、仕方ないんですっ。」 今まで怖くて逸らしていた視線を合わせる。 眼鏡の奥の主任の瞳の中には、情けない顔をした自分が映る。 目の前にいる人が欲しくて欲しくて仕方ないのに、勇気がなくて何もできずに立ち止まっていた自分。 だけど、もう逃げない。 この想いを伝えたい。 「私…自分でどうしようもないくらいっ、主任が好き、大好きなんですっ。」 「……」 気持ちを告げた後、私の頭に添えられていた手がスっと離れていく。 「…まいったな。」 主任の口からこぼれ落ちた言葉。 グっと目を閉じ、その言葉を受け入れる。 …わかっていたこと。 泣いちゃダメ…。 気持ちを伝えないで終わるより、伝えられたんだから、よかった。 そう思うのに、涙がとめどなく溢れていく。 その時、目尻に柔らかい感触が広がり、涙が掬いとられていく。 それが主任の唇だと気づいたのは、主任がギュッと私を腕の中に包みこんだ後だった。
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