青田主任×岬さん

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私は夏が苦手。 眩しすぎる太陽と灼熱のアスファルト、冷房のきいた室内との温度差で体調を崩しやすいこの季節。 満員電車を避け、早い電車に乗り朝の涼しい空気を感じながら会社に向かうのが私の日課。 「んー、気持ちいい。」 まだ誰もいないオフィスの窓を開ければ、夏の匂いを含んだ風が私の体を優しく包み込む。 唯一、苦手な夏の中で好きな瞬間。 目を閉じて風を体いっぱいに感じ、今日も1日がんばろう…そう思った時、一瞬の強風が体を突き抜けた。 「キャッ。」 フレアスカートが風で舞い上がり、慌ててスカートをおさえる。 周りに建ち並ぶビルによって予想もつかないほど強く吹き付ける風に、驚きつつもここにいるのが自分1人でよかった…と心の底から安堵する。 そう、後ろから、 「おはよう。」と声がかかるまでは。 えっ…? 慌てて後ろを振り返る。 「し、主任っ。」 「おはよう、岬さん。」 夏の暑苦しさを一切感じさせずにひときわ爽やかな笑顔を私に向けるのは、この営業部の主任でエースの青田さんだった。
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