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「…もしかして、それが原因で今日はあんな飲み方したの?」
言葉ひとつで勝手にショックをうけて、あんな行動をとったことを情けない、面倒くさい、と思われるかもしれない…、そう思いつつも、ゆっくりと首を縦に下ろす。
「……。」
主任が何も言わないことに、不安が募り俯いたまま顔を上げられなくなる。
すると、はぁーとため息を1つした後にポスッと私の肩に自分の頭を預けてくる。
「えっ、あ、あのっ、」
「…ずるい。」
急に主任との距離が近くなったことに戸惑っている私に、何故か主任は拗ねたような口調で言う。
「…岬さんばっかり。」
「主任言ってる意味が私には全然わかないです…。いや、まず、その前にこの距離を何とかしてほしいですけど…。」
このままでは、私の心臓がっ…。
「やだ。」
「えっ、やだって、えっ?」
いつも大人な主任からやだなんて言葉がでてきてう戸惑私にかまうことなく、主任は更に背中に腕を回してギュッと抱きしめた。
「自分の彼女に、くっついてもセクハラにはならないよね?」
主任はいたずらっこのような笑顔で、私の顔を覗き込む。
「彼女…?」
…誰が?
「うん、岬さんはもう俺の彼女でしょ?」
「えっ、だって、心に決めた人は…?」
「鈍いなー。あなたに決まってるでしょ。」
そう言ってはにかむように笑った後、私の唇に自分の唇を重ねてきた。
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